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【映画感想】ホルンと佐藤勝利というアイドル~ハルチカ感想~

どこにでもありそうな部活の、よくありそうなエピソード、ほんのちょっとだけドラマチックな、でも青春真っ只中の高校時代ならありそうな人間関係、そんな日常の延長のような些細な出来事を、丁寧に丁寧に描いた映画という印象だった。

顔面人間国宝佐藤勝利、そして1000年に1人の逸材の橋本環奈の起用に、並々ならぬKADOKAWAの気合いを感じながら観た分、良い意味で拍子抜けした。

この映画の吹奏楽部は、初心者から始めたヒロインのチカが突然上手くなったり、経験者であるハルタでさえすごく上手かったりはしない。頼みの綱の音楽家一家に育ったクラリネット奏者の芹澤さんも、チカとハルタがあれだけ奮闘して悩みを解決してあげたのに結局入部しなかった。もちろんコンクールで全国大会に行ったりもしない。

とてもリアルだった。中学でホルンを吹き、高校で定員の関係でクラリネットに回され初心者同然となり、大学でどうしてもホルンが吹きたくてオーケストラに入った自分から見ると、観ていてちょっと疲れてしまうくらい「部活」だった。チカが難しいフレーズのソロを何回も何回も何回も何回も練習するところは、自分がクラリネットを演奏している時代のトラウマが戻ってきそうだったし、合奏がチカのソロの失敗によって止まり、指揮者の先生が30分後の再開を言い放って出ていってしまうところ、残された部員たちが言い争いを始めるところは、なんだかもういたたまれなかった。

でもリアルだからこそ、生徒それぞれが持っている心のチクチクがチカの情熱と音楽の力によって癒されていく過程が、じんわり心に沁みてきたのかもしれない。皆で心を合わせて音楽を奏でることがなんて楽しいことか、そしてそんな演奏がどんなに人の心を打つかを思い出させてくれる物語だった。

ところで、この映画の一番の価値は、勝利くんにホルンを持たせたことにある、というのは私の個人的だけど強い見解だ。ジャニーズに入り、表舞台に出だすやいなやSexy Zoneの絶対的センターとしてステージの真ん中に立ち続けてきた佐藤勝利という一人のアイドル。でも、ホルンを持つということは必然的に彼の立ち位置は舞台奥の向かって少し左になる。ステージのセンターじゃないところから、最前列でフルートを吹くチカをあたたかくも力強い視線で見守るハルタ、それを演じる絶対的センター佐藤勝利に、また新しい世界が広がったように見えたのは気のせいではない、はず。

さらにもうひとつ。ホルンはその特徴から他の楽器とは決定的に違う点がひとつある。そしてその違いこそが、勝利くんがホルン奏者を演じたことの価値をもっと高めていると思っている。ホルンが他の楽器と決定的に違うところ、それはベル(音の出口)が後ろを向いているということ。つまり、ホルンの音は一度舞台の後ろの反響板に向かい、そこに当たってからみんなの音を包み込むように拡がって観客にまで届くのだ。

あくまで、特にSexy Zoneのファンではない立場から見た場合だけど、センターに立つ勝利くんは、一番前に立つ人というよりも、5人が作る三角形を支点で支えている人、という印象があった。前にいるけど後ろの人達の方をしっかり向いている人、という。だからか、外見はどの楽器より美しい(個人的見解です。でも一般的にもそう言われているのかな?)けれど、それほど派手に振る舞うことなく地道に皆の音を支えまとめるホルンを勝利くんが吹くと聞いたときは、なんてぴったりなんだ!!と興奮したものだ。

最後に、劇中のハルタの演奏を聞いても分かると思うが、ホルンは、特に吹奏楽では、ポ、ポ、ポ、ポとかポポポポとか、ポーーー!といったいじらしいくらい地道で地味な演奏が多いが、チカのソロに繋がるフレーズの始まりを告げるあのホルンパートのように、たまに物凄く格好いい部分がある。奥ゆかしくて、でも頼りがいがあって、ここぞというときに格好いい、奥深い楽器がホルンなのだ…というホルンの盛大な宣伝をしてハルチカの感想を終わりにしたい。

音楽、やりたいな。純粋にそう思えた。